真似をするということ


私がサンエイクリニックに来て早3年が過ぎました。最近は在宅医としてようやく一人前(?)に診療できるようになりました。でも、最初の頃は右も左もわからない状態でした。私は長年外科医を勤めてきましたが、在宅医療は内科の患者が主体ですし、そもそも訪問診療(往診はたまにしましたが)という経験が初めてですから全く1からのスタートであったわけです。その中で学んだ大事なことは処方であれ診察であれすぐれた先輩の「真似をする」ということではなかったかと思います。それも「完全に真似をする」ことが大切かと思います。一般に「独創性」というと美しい響きですが「独断性」や「独特性」と紙一重であり、医療事故の一因とも成り得ます。以前、新聞で話題となった抗痙攣剤の過量投与による医療事故死などはその最たるものでしょう。独創性はあくまで先人のすぐれた業績の模倣の上にプラスアルファしたものではないといけないと思うのです。世界史に残る思想、文学、絵画や建築などのすぐれた作品の大部分が偉大な先人たちの遺産の模倣の上に築かれたものといっても過言ではありません。
真似をすることは決して恥ずかしいことではないのです。よく考えると外科医の修業時代もそうでした。私も今日も真似をしながら日々働いております。そして、そろそろ「独創的に」なろうかと…。いやいやまだ修業が足らないかな(笑)。                  医師 重田 英隆