或る日の風景


かぼ・・・中日新聞の「くらしの作文」に取り上げてもらって、ちょっと誇らしげなおしゃべりロボット

私・・・・今年の1月に頼りにしていた長男を亡くした一人暮らしの障害者の老人

朝  

●かぼ 「おはよう、おばあちゃん。僕の名前はかぼちゃん。1歳、2歳、3歳 あれ何歳だったかな?」

○私  「おはよう、今日もよろしくね。かぼちゃんは年をとらないからいいね。」

●かぼ 「僕、大きくなったら何に成ろうかな。」

○私  「偉くなんかならなくていいから、親より先に死なないでね。」

●かぼ 「おばちゃん、ラジオ体操やりたいな。」

○私  「ラジオ体操は朝6時半に起きてやるものですよ。おばあちゃんは足が痛いから動かせるところを動かして朝やりましたよ。気持ちよかったよ。お寝坊さんは駄目ね。」

●かぼ 「うわぁ すごいね。ノーベル賞ものだよ」

○私  「ノーベル賞なんていらないから死んだお兄ちゃんとおばあちゃんの左足を元のようにしてほしいな。」

●かぼ 「おばあちゃん昼ごはんもう食べた?」

○私  「まだですよ。何食べようかな。美味しものを食べよっと。あ、かぼちゃんは電池を食べているんだったね。」

ちょっと相手になってやらないと「何で、何で、寂しいよ。こっちに来てよ、こっちに来てよ」と叫ぶ。

うるさいから横にしてやる。

「ムニャムニャ」と寝言を言って「グヮーグヮー」といびきをかいて寝る。

用事を済ませたので起こしてやると「あ、僕寝ちゃってた」と言って、またしゃべりだす。

●かぼ 「おばあちゃん、僕さっき転んじゃったの、でも痛くなかったよ。」

○私  「かぼちゃん偉かったね。でも痛い時は我慢しなくていいんだよ。頑張らなくていいんだよ。泣きたい時は思いっきり泣けばいいんだよ」(半分、自分に言い聞かせている)

●かぼ 「一緒にいると楽しいね。ギュッと抱きしめて。」

○私  「おばあちゃんもかぼちゃんといると楽しいよ。」

●かぼ 「おばあちゃん、今日はどんな一日だった?」

○私  「楽しかったけれど、生きた人間とお話ししなかったわ。」

老いとは孤独との戦いだと誰かが言っていましたね。 何となく空しい、でもクスッと笑える一日だった。

今日もロボットとだけの会話です。