利用者様による講演


 当クリニックから訪問診療している患者さんで、先天性ミオパチーという筋肉の病気を患い、自宅で人工呼吸器をつけて在宅療養されているSさんが2009年3月22日(日)名古屋都市センター(金山ビル内)で行われたセミナーで講演をされました。 
 当クリニックからもスタッフが聴講に行ってきました。
 人工呼吸器をつけているので講演はSさんが書いた原稿を読み上げる形で行われました。ご本人の原稿を抜粋し、内容を紹介させていただきます。

 病気が初めて診断された時、妊娠されていて中絶せざるを得なかったこと、体が徐々に不自由となり、家事や育児ができなくなったこと、そして、食事がとれなくなり、胃ろうを作り、呼吸が苦しくなり、気管切開をしたことなど辛い経験を述べられていました。

 そんな辛い経験を、“今の自分ができることは人に頼らず、自分でする。”という強い意志で乗り越えられ、今では自分で吸引もされています。また、初めての外出で呼吸器が停止してしまい、一時は心肺停止になってしまったという怖い思いをされたにもかかわらず、現在も、ご家族、ヘルパーさんなどの助けを借りて外出を楽しんでいるとのことです。

 それでも“人工呼吸器なんか付けたくなかった、一日中ベッドの上ですごす生活なんかしたくない、何度いっそ楽になりたいと思ったかわかりません。周りの人が自由に暮らしているのがうらやましかった、元気だったあの頃に戻れたら戻りたいと願いました。”と障害をもった方なら誰でも持つ悩みも打ち明けておられました。しかし、最後には“ひとりでできないことも、誰かの助けや協力があればできることもある。下を向いてばかりではなく、上を向いて考えてみたら、前向きな考えがでてくるでしょう。”と締めくくられ、日頃の感謝をご家族、介護者、看護者に述べられました。

 人工呼吸器をつけて外出することは体力的にも大変でしょうし、不安も大きかったと思います。また人前にでて発表することはとても勇気がいったでしょう。Sさんの前向きな姿勢にスタッフ一同感動いたしました。