胡蝶会の理念


「我々は医療機関として医療行為をする以上に、対象の方々の生活の質(QOL)をいかに高め、維持するかを一番の目的とします。」

(少し長いですが是非お読み下さい!!)

診察風景

私(現院長)は以前大病院にて内科とりわけ腎臓病や糖尿病を専門的に医療をしてまいりました。それはそれで充実した日々でしたが、ある程度病気が落ち着くも重い後遺症が残った方や治療が困難で徐々に進行する病気を持った方、そして終末期の方々に対する医療には物足りなさを常に感じておりました。

つまりこの分野を真面に扱う医療や医療機関はありませんでした。そのような中、運命というか必然だと考えておりますが、数名の恩師に巡り会い在宅医療を知りその大切さも教わりました。

しかし当時は在宅医療などという言葉はなじみがなくそれだけでは保険医療機関としては認可もおりませんでしたが何とか行い広めたいとの一心で平成10年にクリニックを愛知県小牧の地に開設するにいたりました。当初は、もともと性格上派手に大きく一気にやるよりは地味でもこつこつやる方が自分には合っておりましたので半年経ても20名程度の在宅患者しかいなかったことを覚えております。採算の点では大変でしたが、今思い返すと最初から焦らずゆっくりと地を固めたことで、構想がしっかり練られ自身のあり方やその後のクリニックの方針、職員教育など多大なよい影響を与えたものと確信しております。その中で一番大きく今でもゆるぎないこととして採算だけを追い自分を超える仕事量は絶対にしないというスタンスです。自分に余裕がなかったら絶対に良い医療はできるはずもありません。実際、医療機関をたくさん見てきましたが、繁盛しているもののこの基本を忘れ(無視しているだけかも)全くやっている目的があやしく、地に着かず、職員の離職率も高くこれは絶対に避けたいところでもありました。

その後友人医師が手伝ってくれることもあり移転して外来診療を始めましたが、これはこの地にしっかり根付いた医療をおこなうには在宅医療だけでは一貫したことができないと考えたからです。大勢診察していては一人一人を大切にできないとの考えから予約制とし、結局待合室は8席のみとしました。主軸は在宅医療ですので午前中のみの外来診療といたしました。ここにも無理しない姿勢を貫いております。もちろん会話重視の観点から人気があるかもしれませんがマッサージ器や電気機器など別なところでやってもらえればいいものは入れておりません。

在宅医療に関しては、ご本人がどんな病気であっても家ですごしたいか、ご家族に不安があるものの家でみてあげたいという気持ちがあれば、どんな状態でも基本引き受けてきました。もちろん自身無理はしないとは書きましたがこれは譲れない点であります。

また医療の程度は大病院に比べれば限界がありますが、無理な治療が苦しめることもありますので一概に治療をすればよいというものでは決してありません。一番大切なのはご本人やご家族の生活の質を高め維持していくことであり、医療行為をすればいいというものではありません。さらにこの医療は医師がただ単に頑張ればいいというものではなく看護師や理学・作業療法士、栄養士などといった医療職や事務員までもが多面的に関わらなければうまく機能しません。そのため連携がとても重要と判断したため自前の訪問看護ステーション(サンエイナースステーション)を作り、常に情報を共有し全ての在宅療養者を全員で把握するという体制を整えました。

何年もやってきましたが、結果として現在は家で最期までいたいという方々が多く集まってきている印象があります。ただ単に苦しもうとも長生きしたい方は当方の主旨に合わないようです。不安だけれど最期まで家に居て命の長さはさておき、少しでも質の高い在宅生活を全うしたい方、共に我々と歩もうではありませんか!